いわゆる個人事業・小規模法人向けのビジネスカードとして、セゾンカードのラインアップに加わったセゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード(長ッ)。カードの付帯サービスがまさに個人事業・小規模法人向けでそこに面白さを感じたので、ビジネスカードは既に使っているものがあるけど、今回新たに作ってみることにした。
いや、正直なところ券面が青一色でアメックス系では珍しい印象だったので、そちらに惹かれてというのもだいぶ大きな理由だったりする。横浜に住んでると、青いものに反応しやすくなるんだよね、ホント。
小規模事業に焦点を絞った付帯特典が面白い
このカード、前述のとおり付帯する特典がなかなか個性的で面白い。
個人事業や小企業など規模の小さな事業では、どんなサービスや商品を日常的に利用することが多いのか。事業内容によってそれは様々だとは思うが、今の時代、まず使う可能性が高いのはウェブ系のサービスだろう。
この点、セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは、以下のようなウェブサービスを利用する場合、ポイント還元率が通常の4倍(原則2パーセント)となることが大きな特徴となっている。
- AMAZON WEB SERVICE
- Xserver
- お名前.com
- クラウドワークス
- Cybozu
- SAKURA Internet
- モノタロウ
- MoneyForward クラウド
- かんたんクラウド
- ヤフービジネスサービス
ドメインやサーバーは自社ウェブサイトの構築・運用でまず利用するし、クラウドサービスも業務効率化で何かしら導入する可能性が高い。またヤフービジネスサービスを利用してリスティング広告を展開する場合、これに対するポイント還元率が高ければかなり大きなメリットとなる。
さらに、ウェブサイトを設置するサーバーとしてエックスサーバーを選択するなら、セゾンコバルトの特定ページを経由して申し込むことによって、初回支払いの利用料金から初期設定費用相当額が以下のように割引される。
個人向けプラン (X10、X20、X30) |
初期設定費用3,000円(税別)が無料 |
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法人向けプラン (B10、B20、B30) |
初期設定費用15,000円(税別)が無料 ※契約期間が6ヵ月以上の場合のみ適用 |
初期費用相当が無料になったとしても、それがサービス開始から日の浅い、よくわからないレンタルサーバーを利用するのは躊躇するが、その点エックスサーバーなら運営年数も比較的長く、利用者も多いことから安心できる。
自分も、エックスサーバーは既に10年ほど前に契約して引き続き利用している(このブログもエックスサーバーに設置)。
使うか使わないか分からない豪華特典が付帯するのではなく、上記のように使う可能性が高いネットサービスを中心に特典が用意されていること、そして後で触れるがそのぶん年会費が低く抑えられていることによって、手軽にメリットを享受できるのがいい。
法人カードと比較して審査の手間が少ない
法人カードを作るとなると、通常は履歴事項証明書や決算書などの提出を求められ、また審査に必要となる日数も結構長くなりがち。そして、そもそも開業したばかりの個人事業や業歴の浅い法人では、コーポレートカードの審査が通らず発行まで至らないことも多い。
この点、セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは、ビジネスカードではあるもののカード発行時の審査は個人が対象となっている。そのため履歴事項証明書や決算書の提出を要せず審査が進むので、そのぶん手間が減る。
最短3営業日発行はビジネスに便利
法人自体の審査がカットされるということは、発行までの日数も短縮されることになる。従って、カード決済する機会が近いときに申し込んでも間に合う可能性が高い。
セゾンコバルトを含むセゾンカードでは、申込みから発送までに必要な日数は最短3~7営業日。実際、今回セゾンコバルトを申し込んでから手元に届くまでに要した日数は4営業日だったので、最短の3営業日で発送されたことになる。
そもそもセゾンカードは申込みから本人確認、その後の審査が非常に早いのが特徴。
他社のカードを申し込むと数日後に確認のメールや電話が来ることが多いが、セゾンカードは申込み当日にすぐ電話確認が入り、応対できれば十数分後には発行可否のメールが届くことがほとんど。
最短という点では、当日発送の翌日着でカード発行が可能なJCBが直接発行するプロパーのクレジットカードのほうがより短いものの、最短4営業日程度で届くセゾンカードも十分に早くて便利。
個人カードと比較して利用限度額が高め
セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは、セゾンのビジネスカードのラインアップではエントリーカードに位置するので、セゾンプラチナ・ビジネス・アメックスと比較すると限度額は低めかもしれない。
とはいえ名称に「ビジネス」と入っているとおり事業用決済のためのビジネスカードなので、個人で私的に利用するクレジットカードと比較すれば、発行当初から限度額は高めに設定されている。
開業当初・法人設立当初から仕入れで多額のカード決済を行うというのでなければ、メインのビジネスカードとしても利用しやすい。
もちろん、セゾンコバルトは個人を対象とした審査で発行されるカードなので、利用限度額がどのように設定されるのかは個人の信用によりけり。状況によっては発行時の限度額が低く抑えられることもありうる。(今回セゾンコバルトを発行する以前から、自分はセゾンカードを数年使っている履歴があるので、その辺は考慮されている可能性あり)
年会費が安価で追加カードの発行も無料
セゾンコバルト・ビジネス・アメックスの年会費は1,000+税。無料ではないもののビジネスカードとしては安価な部類。ネットサービスのポイント4倍還元がお得とはいえ、決済額がそこまで大きくない事業では年会費が高いと結局はマイナスになってしまう。
この点、セゾンコバルトの1.000円という年会費は負担が少なくてメリットがある。前述のエックスサーバー初期費用無料優待も合わせて利用するなら、しばらくの間は年会費実質無料で利用することができる計算。
またセゾンコバルトは追加カードにも対応していて、4枚まで無料で発行可能。家族経営的な会社、少人数の法人であれば、4枚の追加カードを活用することで経費精算の手間が省ける。
法人口座を設定できる
セゾンコバルト・ビジネス・アメックスは、個人口座ではなく法人口座(代表者名併記のもの、といっても大抵は併記されてるので問題ない)を設定できることもビジネスカードならでは。
法人の経費をセゾンコバルトで支払えば、そのまま法人口座から引き落とされるので、お金の流れが簡略化される。
またETCカードの発行にも対応しているので、事業・法人として車での移動が多い場合にも使いやすい。しかもETCカード発行も手数料などかからず無料。
セゾンカードはセゾンならではの優待も多く、その中にはレンタカーの料金割引などもいくつか含まれる。ETCカードを無料で作ってレンタカーを活用すれば、より一層セゾンコバルトの利用価値は上がりそう。
セゾンコバルトのデザインは全面ブルーが新鮮
セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの券面は、ほぼ全体がコバルトブルー。アメックスのロゴはブルーなのに、ブランドがアメックスのカードでも色がブルーなものは希少。ということで、かなり新鮮味を感じる。
デザインはセゾンアメックスのアイデンティティといってもよさそうな、百人隊長が前面にバンと押し出されたもの。巷ではアメックスが直接発行するプロパーカードと比較してセゾンアメックスを「なんちゃってアメックス」と呼ぶこともあるが、セゾンアメックスにはセゾンアメックスの良さがある。
実際、いかにもアメックスというプロパーカードより、ちょっと変わったデザインのカードのほうが気兼ねなく使えるシーンもあるし。
ただ、最近シンプルな図柄に変更された百人隊長のイラスト(セゾンコバルトもシンプル版)は、個人的には以前の描き込まれたもののほうが好みだったな。
アプリのわかりやすさと情報反映の速さは改善に期待
他にセゾンカードの特典として、西友が常時3パーセント(特定日は5パーセント)割引になったり、Amazon6倍ポイントデーなどが今のところ開催されたりしている。その辺もよく利用する人にはメリットだろう。事業用途に絞って使っていくとなると、はたして西友で使うシーンがあるかどうかは微妙だが。
セゾンコバルトは短所の少ないクレジットカードだけど、あえて挙げるなら、これはセゾンアメックスだからというよりセゾンカードだからという理由になるが、アプリの見やすさや使いやすさが今一歩なこと(だいぶ改善されてはきたけど)。
そしてカード自体の発行はスピーディなのだけれども、決済情報がアプリの明細に上がってくる速度はそれほど速くない。というか、他のカードと比較してしまうとだいぶ遅い。「昨日のアレ、支払いのときゴタゴタしたけど正確な額で決済されたよね?」的な出来事があっても、なかなかアプリの明細に反映されてこないので、確認して安心という使い方がしにくい。
旅行保険が付いてないのは、このカードにおいてはあえてカバーしていないので短所には含めない。
ビジネスカードといえど、使った内容ができる限り早く確認できることは、より一層の安心感につながるはず。この辺はセゾンカード全体の問題ではあるけど、今後の改善に期待したい。
セゾンコバルト、個人事業や規模の小さな新設法人には導入しやすい。特に、上で挙げたウェブサービスをいくつか利用するならオススメだよ。アデュー。