飛行機の場合窓側か通路側か、前方か後方かによって利便性や眺望が大きく異なる。
窓側は空からの風景を眺められることや誰かの移動で自分も席を立たずに済むのが主なメリット、通路側はトイレに行きやすく機内サービスを受けやすいことが主なメリット。
国内線は飛行時間が短めで、札幌から那覇まで飛んでも4時間程度で収まるので、自分はチケットが取れる限りは窓側派。飛行機からの景色、天候や時間、季節によって異なる表情を見せてくれるところが、面白すぎるよね。
新幹線と違って、意外と異なるのが飛行機の前方に座るか後方に座るか。以下、国内線のANAをベースに違いやおすすめの場所を紹介。
前方の座席
前方の座席は、搭乗口からの距離が近いので乗りやすく、降りやすいのがメリット。特に着陸後に飛行機から出るとき、前側の乗客から誘導になるため、後部座席のように待たされる時間が無い。
手荷物を預けていれば結局は空港で待たされることになるので、前方の座席から急いで降りてもあまり意味はないけど、預けていなければ数分~10分近く違うことも。
あと飛行機はエンジンが翼に付いているので、翼より前の座席のほうが移動中静かに過ごせる。また前方~中間の座席は揺れも少ないので、飛行機が苦手な人、ジェットコースターのようなスーッとする感覚をできる限り味わいたくない人は、飛行機の前側~中央にある座席を取ることをおすすめ。
前側の窓側座席は翼などの遮蔽物が無いので、窓からの眺望も良好。ちょっと後ろを振り返りぎみに覗けば、飛行機のエンジンや翼も見ることができる。
ということで、基本的には飛行機の前側座席がおすすめではあるんだけど、最前列から数列のエリアは飛行機をよく利用する乗客(ANAならプラチナメンバーやダイヤモンドメンバー)じゃないと、座席を指定する際に開放されていないことが多い。
そのため、普通にチケットを取得した場合、おそらくもう少し後ろのエンジンにより近い座席になることが多いはず。
翼付近の座席
翼付近、飛行機の中央部の座席は、特にこれといった特徴は無い(笑)。強いて言うなら、前方座席と後方座席の中間なだけに、長所や短所もそれぞれの中間。あと中央といってもエンジンに並ぶ位置から後ろにかけては、真横から大きな音がすることもあるので、静かなほうがよければより前方に乗るほうが無難。
大型の飛行機であれば中央にトイレが設置されている機体もあるので、揺れや音の少ない前方がいいけどトイレが近いほうがいい的な要望があれば、機体中央のトイレ付近の座席を取るのもいい。ただし、トイレに近すぎるとトイレ利用者の往来が頻繁なので、あまり落ち着けないことも。
中央付近からの眺めには、飛行機の翼が大きく入ってくる。特に翼のど真ん中だと、下の写真のように視界のほとんどが翼で占められてしまう。離陸や着陸の際などに飛行機が大きく旋回すると、斜めになるぶん地上が垣間見えるけれど、上空まで上がってしまうと特に見るものも無くなってしまう。
そのぶん、ギリギリまで窓側の座席が空いてる可能性が高いのも翼付近なんだけどね。
後方の座席
後方の座席は、エンジン音などが後ろに流れてくるのでブーンという音が機内に常時響いているような感じになる。あと前方~中央付近に比べて上下動(ピッチング)が大きいので、離着陸時にはスーッとする感覚になることも多い。
それと飛行機は基本的に前方座席にはビジネスマンが多く、後方座席には家族連れが多い。そのため、子供連れの人は後方座席のほうが気軽なところはあるかも。離着陸の際って、独特の雰囲気を察してか赤ちゃんが結構な頻度で泣いてる気がするんだけど、後方座席ならみんなで泣けば怖くない的な。
逆にできるだけ静かに読書したいとか寝たいとか仕事したいとかなら、前方座席のほうが無難。
その他には、飛行機は後方にトイレがいくつも設置されていることが多いので、できるだけトイレが空いてるほうが安心という人も後方の座席が良いかと。
翼より後ろの座席は揺れたりエンジン音が反響してたりするけど、翼を入れて「飛行中です!」的な写真を撮るのにはもっとも向いてる。ということで、上のような構図で写真を撮りたい人には後方の座席のほうがおすすめ。
あと翼のフラップの動きもよく見えるので、離着陸の際にいろいろな挙動を眺めているのも楽しい。
以上2点が決め手で、座席が取れる限りは翼より後ろに座るという人も結構いるらしい。
非常口席という特殊な座席
これは窓側・通路側、前方・後方とは違う区分だけど、飛行機に付いている非常口付近の席は、他の席には無い特殊さがある。
非常口席って前方が通路になっているので、他の席に比べて足下のスペースが非常に広い。ということで、この席を愛用している飛行機利用者も多いので、座席指定では空いていないこともまた多い。前方が通路なので、荷物を前列席の下に置いておくとか、前列席のポケットに入れておくことができないのは逆にデメリット。
あとこの席、CAさんの座る席の真向かいに位置することがほとんどなので、CAさんとのコミュニケーションを取りたい層にも人気らしい(非常時の説明で、必ずCAさんが事前説明に来るので)。
※下の写真はCAさんと向かい合わないタイプの非常口席。
どこに乗るかより何の機体(機材)に乗るかも重要
窓側に座るか、通路側に座るか。機体の前方に座るか、後方に座るか。どこに座るかによってだいぶ異なる機内体験のできる飛行機。でもそれ以前に、どの機体(機材)の飛行機に乗るのかによっても、空の旅が快適になるか否かはだいぶ変わってくる。
B737とかもともと定員が160名前後と少ない飛行機だと、後部座席でも結構早く乗降できるので、前や後ろはあまり関係なくなるし、逆にB777の3列-4列-3列並びの機体だと500名近い定員の機体もあって、後部座席はなかなか乗り降りがしづらい。
自分が好きなのは、2列-3列-2列になっているタイプのB767。やっぱり中央列のない2列シートってストレスがだいぶ違う。もともと飛行機の自由席は新幹線より足下スペースが狭いので、中央列に大柄な人が乗ったときの3列・4列シートはなかなかの閉塞感なので。
できるだけ767の2列シートで空席を探すので、よく利用しているANAの東京(羽田)←→大阪間でのフライトも、できるかぎり767の運航していない関空ではなく767有りの伊丹空港を選択してしまう。
以上、飛行機の座る場所による主な違いについての紹介でした。機体の好みは人それぞれのところもあるけど、座席を決めるとき、何かの参考になれば嬉しいなと。アデュー。